11月3日
暗い部屋をカラオケ店の大きなテレビが無機質に照らす。
飲みかけのグラスについた唇のあとが光ってる。彼の分も。さっきまで隣にいたのに、先に帰った。
いや、帰らせたのか。
私が一人で帰るから先に帰っていいよと、言った。彼は沈黙の後、先に帰るねと呟いてそのまま出て行った。
これは本当に我が儘なのだけど、何で冷たい感じで出て行ったの?私が弱いことを知っていて、そんなことをできるんだね。
そして彼は今日、1曲も歌っていないのに。
私は朝から、気分が落ちていた。
原因は、寂しいと突如感じたから。
今もとても寂しく、死にたい気分だ。
どうせ死ねずに明日も会社に出社しているんだろうけど。
彼には、今日ぎゅっと抱きしめて欲しかった。いつもなら抱きしめてくれるのに、抱きしめてくれなかった。
とても弱いです、私は。
急に考える。きれいな過去の思い出全て、汚く醜い過去と一緒にぐちゃぐちゃに混ぜたい。
私はぐちゃぐちゃに成りたいです。
綺麗すぎると疲れない?私は綺麗ではないので、想像でそう思っているが。
とても、まっすぐに立つことはできない。
寒くて部屋の暖房を入れた。
でも、息が苦しいだけだ。それが返って心地良い。
私は泣いた。顔が涙でぐちゃぐちゃになる。朝、彼に会うために施した化粧を、歪めていく。
いつも私の手を握ってくれる彼。
いつも私を抱きしめてくれる彼。
喧嘩なんて、ほとんどしないのに。
何で今日なの。
涙が憂鬱を加速させていく。
日記では書ききれないが、彼には温かい家族がいて、彼のことを愛している。
私にも家族はいる。愛(愛ではなく情?)もあると思う。でも、伝え方が下手くそな母親で、私は今日家に帰りたくない。
彼の家族は、今日の夜ご飯を彼と食べたいと伝えたらしい。いつもデートの夜は私と一緒にご飯を食べるのだけど。仕方がないけれど。
私はもう、他人と比較をすることも、前向きになる努力も、疲れたの。
考えを放棄して、
明日はいい日になるといいね。
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